「ハンガー」の昔の言い方を知っていますか?
ハンガーという言葉は、日本人が「洋服」を着るようになってから使われ始めた言葉なので、「和服」を来ていた時代は別の言葉が使われていたのです。
この記事では、「ハンガー」の昔の言い方について、次のことを紹介します。
- ハンガーの昔の言い方(衣紋掛け)
- ハンガーに言い方が変わったのはいつ?
- 「衣紋掛け」は死語なのか?
記事を読むことで、ハンガーの言い方の語源・由来がわかりますよ。
ハンガーの昔の言い方は「えもんかけ」
ハンガーの昔の言い方は、「えもんかけ」です。
「えもんかけ」は、「衣紋掛け」と書かれ、平安時代から存在していました。
当時は、着物などの和服をかけるための道具として使われていました。
衣紋掛けの語源・由来は?
「衣紋掛け」は、「衣紋」と「掛け」の二つの言葉から成り立っています。
「衣紋」は、着物の襟元や袖の形状を指し、「掛け」は、掛けるという意味です。
つまり、「衣紋掛け」は、着物の形を整えて掛けるための道具という意味になります。
和服を形崩れさせずに保管するために考えられた道具で、特に着物の襟元を美しく保つことに重点が置かれていました。
和服特有の形状を維持するため、現代のハンガーとは異なる構造をしています。
ハンガーと衣紋掛けの違いは?
現代のハンガーと「衣紋掛け」の大きな違いは、その形状と用途にあります。
項目 | ハンガー | 衣紋掛け |
---|---|---|
形状 | 金属やプラスチック製の棒状の形状が一般的 | 木製や竹製の弓状の形状が一般的 |
用途 | 洋服やシャツなど様々な種類の衣服をかけるために使用される | 和服をかけるために使用される |
歴史 | 明治時代に西洋から伝来した比較的新しい道具 | 平安時代から存在する伝統的な道具 |
ハンガーは様々な形状があり、西洋服から和服まで幅広い衣類に対応していますが、衣紋掛けは主に和服、特に着物のために設計されている点が特徴です。
衣紋掛けは、着物の形を整えながら保管するために最適化されています。
衣紋掛けの別の言い方は?
「衣紋掛け」の別の言い方としては、「着物掛け」や「衣桁(いこう)」、「衣装掛け」といった言葉も使われていました。
最近では、衣紋掛けのことを「和装ハンガー」「着物ハンガー」と表現することもあります。
これらはすべて、和服を掛けるための道具を指す言葉でした。
昔の言い方から「ハンガー」に変わったのはいつ?
「ハンガー」という言葉が日本で広く使われるようになったのは、大正時代に入ってからです。
西洋文化の流入と共に、西洋服を着る機会が増え、それに伴い西洋式の衣類を掛けるためのハンガーが普及しました。
特に戦後の高度経済成長期には、生活様式の変化と共にハンガーの需要が高まり、今日見られるような多様な形状のハンガーが登場するようになりました。
ハンガーの語源・由来は?
「ハンガー」という言葉は、英語の「hanger」から来ています。
この英語の「hanger」は、もともと「吊るすもの」や「掛けるもの」という意味を持つ動詞「hang」から派生した名詞です。
つまり、衣類などを吊るすために使われる道具や器具を指す言葉として、「ハンガー」という言葉が使われるようになりました。
「衣紋掛け」という言い方は死語なのか?
「衣紋掛け」という言葉は、現代では日常的にはあまり使われなくなりましたが、死語とまで言えるほどではありません。
その理由としては、現代でも和装を取り扱うお店では一般的に使われている言葉ですし、着物を愛好する人々の間では、依然としてこの言葉が使われているからです。
X(旧Twitter)で「衣紋掛け」で検索をかけると、ちらほら「衣紋掛け欲しい」などのポストを見つけられますよ。
また、和服文化を伝えるための展示や教育の場では、「衣紋掛け」という言葉がその機能や歴史を説明するために用いられています。
まとめ:ハンガーの昔の言い方は「衣紋掛け」「衣桁(いこう)」
ハンガーの昔の言い方について解説しました。
- ハンガーの昔の言い方は「衣紋掛け(えもんかけ)」「衣桁(いこう)」
- 「衣紋」は、着物の襟元や袖の形状を指す言葉
- ハンガーという言い方が使われはじめたのは、大正時代ごろから。
- 「衣紋掛け」という言葉は、現代でも和装を取り扱うお店や着物を愛好する人の中で使われている
「衣紋掛け」という言葉は、大正〜昭和ごろを堺に「ハンガー」という言葉に取って代わるようになりました。
しかし、現在でもまだ使われている言葉です。
今後、どのように言葉が変わっていくのか気になるところですね。
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