「窓」の昔の言い方を知っていますか?
人々は昔から「採光」「通風・換気」「眺望」などの目的で、窓を活用していました。
- 採光:自然光を室内に取り込むこと。室内を照らしたり、部屋を温めたりといった効果があります。
- 通風・換気: 室内と外の空気を入れ替え、新鮮な空気を供給し古い空気を排出すること。
- 眺望: 室内から外の景色を楽しむこと。
この記事では、「窓」の昔の言い方・言葉について、次のことを紹介します。
- 窓の昔の言い方・言葉
- 窓周辺の言い方は?
記事を読むことで、「窓」の昔の言い方の語源・由来がわかりますよ。
窓の昔の言い方は「窓」〜語源・由来も解説〜
現在一般的に使われているような「ガラス窓」が日本に入ってきたのは、江戸〜明治時代頃。
実はその当時から、窓のことは「窓」と呼ばれていました。
いつ頃から「窓」と呼ばれていたのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
万葉集の時代から使われていた
「窓」という言葉は、古くは万葉集の時代、つまり8世紀ごろから使われていたとされています。
万葉集の中に「窓」という言葉が使われています。
窓越しに月おし照りてあしひきの嵐吹く夜は君をしそ思う
万葉集
この時代における「窓」は、主に貴族の邸宅に見られ、光を取り入れると同時に、風雅な意匠を楽しむためのものでした。
この頃から、窓は建築における重要な要素の一つとして位置付けられていたことがわかります。
窓の語源は目所・間所が有力
「窓」の語源には諸説ありますが、「目所(まど)」や「間所(まど)」が有力です。
これらは、「外の景色を見るための場所(目所)」や「部屋の換気をするための場所(間所)」という意味を持ち、窓が持つ機能や位置づけを表しています。
窓から外を眺めることで、外の世界との間にある「間」を意識する日本古来の感覚が反映されていると言えるでしょう。
窓ガラスが庶民の家に普及したのは明治
庶民の家に窓ガラスが普及し始めたのは、明治時代に入ってからです。
ガラス製の窓自体は江戸時代からあったようですが、日本に窓ガラスをつくる技術がなかったため、海外から輸入したものが使われていました。
そのため、窓ガラスは高貴な屋敷などにしか使われていませんでした。
西洋の建築様式の導入と共に、日本でもガラス製の窓を生産できるようになり、一般の家庭にも設けられるようになりました。
昔「窓の役割」をしていたものの言い方
日本では、窓ガラスが普及する前から「採光」「通風・換気」「眺望」などのために、様々な窓(窓と同様の役割を持つもの)が使われてきました。
ここでは、窓の役割をしてきたものの言い方をいくつか紹介します。
蔀戸
「蔀戸(しとみど)」は、平安時代から江戸時代にかけて使われていた、格子状の木製の建具。
光や風を取り入れつつ、外からの視線を遮るために使われた古い形式の窓です。
主に武家屋敷などで見られ、防御の役割も兼ねていました。
江戸時代には、職人が細工している様子を外に見せ、客を呼び込むために蔀戸が使われていたこともあったようです。
今でも古民家や歴史的な建造物で見ることができます。
障子窓
「障子窓」は、障子を窓として利用したもの。
障子と窓枠を組み合わせて使われていました。
光を取り入れると同時に、室内を外の視線から守る役割を果たしていました。
今でも和室に備え付けている家庭もありますね。
突き上げ窓
「突き上げ窓」は、窓の下部を内側に押し上げて開けるタイプの窓です。
風通しを良くするために設計されました。
現在は「窓」以外の別の言い方がある?
現代では、「窓」という言葉が広く定着しているため、日常生活において他の言い方が使われることはほとんどありません。
ただ「窓」の他にも、「サッシ窓」「ガラス窓」「フレンチウィンドウ」など、海外由来の言葉で表現されることもあります。
まとめ:窓の昔の言い方は「窓」だった!
「窓」の昔の言い方・言葉についてまとめました。
記事の内容をまとめると
- 玄関は昔から「窓」という言い方だった
- 「窓」は万葉集の時代から使われていた
- 窓の語源は「目処」「間所」が有力
- 窓ガラスが庶民に普及したのは明治時代以降
窓は、昔から「窓」だったのに驚きました。
今後、どのように言い方が変遷していくのかも気になるところですね。
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