「警察」の昔の言い方を知っていますか?
実は「警察」は昔、別の言い方で呼ばれていたのです。
この記事では、「警察」の昔の言い方・古風な呼び方について紹介します。
- 警察の昔の言い方(検非違使、町奉行所、邏卒)
- 警察の昔の俗語の言い方(マッポ、ガチャ、オイコラほか)
記事を読むことで、警察の昔の言い方・歴史がわかりますよ。
警察の昔の言い方は「検非違使」「町奉行所」「邏卒」
警察の歴史は古く、時代によってさまざまな呼び名がありました。
ここでは、代表的な3つの時代における警察組織について詳しく解説します。
平安時代には「検非違使」があった
平安時代の816年頃、警察組織「検非違使(けびいし)」が設置されました。
この組織は、主に京都の警備にあたったとされています。
検非違使の主な役割は、犯罪の取り締まりや治安維持でした。彼らは、武装した騎馬隊を率いて巡回し、盗賊や反乱者の取り締まりを行っていたのです。
検非違使は、平安時代の貴族社会において重要な役割を果たしていました。
彼らは、単なる警察官としての役割だけでなく、裁判官としての機能も持っていたのです。
検非違使は、犯罪者の逮捕から裁判、刑の執行まで一貫して担当していました。
江戸時代には「町奉行所」があった
江戸時代に入ると、「町奉行所」という役所が警察の役割を担うようになりました。
町奉行所では、「町奉行」というお役人が頭となって行政・司法・警察・消防をつかさどっていたのです。
この組織は、江戸幕府の直轄地である三都(江戸・京都・大阪)に設置されました。
町奉行所には「与力(よりき)」「同心(どうしん)」という役人がおり、彼らが警察官のような役割をしていました。
与力は武士の身分を持つ上級役人で、同心はその下で働く下級役人でした。
彼らは、町中を巡回して犯罪の取り締まりや火災の予防、そして市民の生活の安全を守る役割を担っていたのです。
明治には警察官の前身「邏卒」が設置
明治維新によって江戸幕府が崩壊したのち、1871年に邏卒(らそつ)と呼ばれる警察官の前身が設置されました。
これが近代警察の始まりとされています。
邏卒は、西洋の警察制度を参考にして作られた組織で、その役割は犯罪の予防と取り締まりでした。
1874年には「東京警視庁」が設立され、日本の警察組織がより近代化されていきました。
この頃の邏卒の多くは鹿児島出身だったそうです。
彼らは、サーベルや刀剣を持って任務にあたっていたとされています。(このことが、後に紹介する「警察の俗称」にも影響を与えることになるのです)
他にもあった!警察を表す昔の言い方
警察を表す言葉は、正式な呼び名だけでなく、さまざまな俗語も存在します。
ここでは、昔の言い方と今の言い方に分けて紹介していきましょう。
警察を表す俗語(昔の言い方編)
- おまわりさん:
この言葉は、明治時代に婦女子が使った俗称が次第に一般化した言い方です。警察官が町を巡回する姿から生まれた親しみやすい呼び名ですね。 - マッポ:
これは、警官に薩摩藩(鹿児島県)の出身者が多いことによる”薩摩っぽ”から作られた言葉です。先ほど述べた邏卒の出身地にも関係していますね。 - ガチャ:
当時の警察官はサーベルの音を立てて歩いていたことから、このような呼び名がつきました。サーベルのガチャガチャという音が、警察官の存在を象徴していたのでしょう。 - オイコラ:
これは、人を注目させて呼び止めるいわゆる薩隅方言です。鹿児島出身の警察官が多かったことから、彼らの使う言葉が警察官を表す言葉として定着したのでしょう。
警察を表す俗語(今の言い方編)
- サツ:
主に暴力団用語として使われる言葉です。「警察」の「サ」を取って短縮した言葉だと考えられています。 - ポリ、ポリ公:
英語の「Police」からできた言葉です。外来語が日本語に入り込んでできた俗語の一例ですね。 - デカ:
正確には警察官ではなく刑事を表す言葉。
明治時代の刑事が着ていた「角袖(かくそで)」の最初と最後の2文字「かで」を逆に呼んだ「デカ」から来ているとのことです。現在でも探偵や刑事を表す言葉として使われています。
まとめ:警察の昔の言い方は「検非違使」「町奉行所」「邏卒」
警察の昔の言い方について解説しました。
- 警察の昔の言い方は「検非違使」「町奉行所」「邏卒」
- 警察の昔の俗語の言い方は「おまわりさん」「マッポ」「ガチャ」「オイコラ」
映画の昔の言い方は、「検非違使」「町奉行所」「邏卒」でした。
今後、警察という呼び方がどのように変わっていくのか気になるところですね。
当ブログでは、いろいろな「昔の言い方」を紹介・解説しています。
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