「化粧」の昔の言い方を知っていますか?
昔の化粧と言えば、「おしろい」「お歯黒」…etcなどがありますが、
「化粧」自体のことをなんと言っていたのでしょうか??
この記事では、「化粧」の昔の言い方・古風な呼び方について、次のことを紹介します。
- 化粧の昔の言い方
- 昔の化粧道具・化粧法の言い方(紅・おしろい・眉剃り・お歯黒等)
- 「おしろい」「お歯黒」などは死語なのか?
- もはや「化粧」という言葉は死語なのか?
記事を読むことで、化粧の昔の言い方・歴史がわかりますよ。
化粧の昔の言い方は「けしやう」「けさう」「けはひ」
昔は「化粧(けしょう)」のことを
- 「けしやう」
- 「けさう」
- 「けはひ」
と表現していました。
時代によって、「化粧をする」という動詞表現も
- けしょうず
- けわう
- けそうず
と言われていました。
昔の「化粧道具」「化粧法」を表す言葉
化粧道具や化粧法も、時代によって変化してきました。以下では、代表的な化粧道具とその当時の言い方をご紹介します。
「紅(べに)」
「紅」は、唇や頬に赤みを加えるための化粧品です。
紅は、主に植物の実から採れる赤い色素を原料として作られていました。
代表的なものが、紅花などから採れる赤い色素を粉末状にして水で溶かして塗るのが一般的な使い方でした。
自然の素材から作られた「紅」は、平安時代から貴族社会を中心に愛用されてきました。
「おしろい」
「おしろい」は、顔に白さを加えるための粉です。
今で言う「ファンデーション」「パウダーファンデ」といったところでしょうか。
平安時代以降には、貴族社会の女性たちの間で白い肌を好む美意識が強まり、おしろいをはじめとする白粉化粧が流行しました。
おしろいは、主に米粉や鉛白(えんぱく)などを主成分とし、
これらを粉末状にしたものを水で溶いて顔に塗るのが一般的な作り方でした。
おしろいは特に上流階級の間で使われていたため、高価な薬品なども加えられることもあったそうです。
鉛白を使ったおしろいはカバー力が高いが、鉛中毒のリスクがあったため、後により安全な成分へと変わっていきました。
明治まで主流だった「眉剃り」「鉄漿(おはぐろ)」
「眉剃り」は、眉毛を剃り落とし、額に別の位置に眉を描く化粧法。
「鉄漿(お歯黒・おはぐろ)」は、歯を黒く染める習慣のことです。
江戸時代までは、結婚した女性は眉毛を剃り、歯を黒く染める「お歯黒」という独特な化粧をしていました。
しかし、明治時代になって、政府は「眉剃り」や「お歯黒」を品のない風習だと、禁止しました。
(当時は、西洋化を進めるために、海外の文化を取り入れようとしていた)
明治天皇の皇后である昭憲皇太后も「お歯黒」をやめたことで、一般の人々も徐々に「お歯黒」や眉毛剃りをしなくなりました。
化粧の昔の言い方「けさう」「おしろい」などは死語なのか?
「けさう」「鉄漿(おはぐろ)」「おしろい」などの言葉は、現代では一般的には使われておらず、死語同然と言えるでしょう。
試しにX(旧Twitter)で「けさう」「お歯黒」「おしろい」を検索してみましたが、
- けさう→古典文学以外の文脈で使われているの例が見られなかった
- 鉄漿(おはぐろ)→アカウント名以外での使用例が見られなかった
- おしろい→コスメアカウントがたまに使用しているのが見られた
と言った感じで、一般的に使われていないことがわかりました。
もはや「化粧」も昔の言い方?最近の「化粧」に変わる言葉は?
そして最近では、「化粧」という言葉も、新たな言葉に代わりつつあります。
若年層を中心に、「メイク」という言い方が一般的になりつつあります。
これは英語の”make-up”に由来する言葉で、これまでの「化粧」に変わり、新しい時代の表現となっているのかもしれません。
「化粧って言う言葉はもう死語なの?」という時代も近いかもしれませんね。
まとめ:化粧の昔の言い方は「けしやう」「けさう」「けはひ」
化粧の昔の言い方について解説しました。
- 化粧の昔の言い方は「けしやう」「けさう」「けはひ」
- 昔は「紅」「おしろい」「眉剃り」「鉄漿(おはぐろ)」などの化粧法を使っていた
- おしろい・おはぐろなどの言葉は、今では死語同然の言葉となっている
- 最近では、化粧の代わりに「メイク」という言葉が使われることが増えてきた
化粧の昔の言い方を知ることで、昔から化粧をする文化があったことにも気づくことができました。
今後の化粧文化の移り変わりにも目が離せませんね。
その他の「今は使わなくなった昔の言葉」を知りたい方は、
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