「私」「自分」の昔の言い方は?男女別に徹底解説!

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「私」「自分」の昔の言い方は?男女別に徹底解説!

「私」や「自分」などの一人称の昔の言い方を知っていますか?

実は「私」「自分」などの一人称は、昔はたくさんの言い方があったのです。

この記事では、「私」「自分」などの一人称の昔の言い方・古風な呼び方について紹介します。

この記事でわかること
  • 「私/自分」の昔の言い方(吾輩、妾など)
  • 「私/自分」の今の言い方(俺、僕、うちなど)
  • 「私/自分」の昔の言い方がたくさんあった理由
  • 「吾輩・妾」などは死語なのか?

記事を読むことで、「私/自分」の昔の言い方がわかりますよ。

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目次

「私/自分」の昔の言い方はたくさんある

「私」や「自分」を表す言葉、実はものすごくたくさんあるんです。

男性用、女性用、そして男女共通のものまで。時代によって使われ方も変わってきました。

性別ごとに分けて、詳しく見ていきましょう。

「私/自分」の昔の言い方(男性編)

男性が使う「私」の言い方は、実に多彩で、時代や身分によって使い分けられてきました。

  • わがはい(我輩、吾輩、我が輩、吾が輩):夏目漱石の『吾輩は猫である』などで有名。知的で少し尊大な印象を与える言葉。
  • 某(それがし):主に武士が使った言葉。謙遜の意味を込めて使われました。時代劇でよく耳にする言葉ですね。
  • 朕(ちん):天皇だけが使う特別な言葉。1945年以前は詔勅や公文書で使われていましたが、戦後は「わたし・わたくし」に変わりました。
  • 吾(あ):奈良時代から平安時代にかけて使われていた言葉。今では短歌や俳句などの詩歌で見かけることがあります。
  • 小生(しょうせい):自分を謙遜して表現する言葉。手紙などでよく使われますね。
  • 拙者(せっしゃ)・拙僧(せっそう):武士や侍、忍者が自分を謙って使う言葉。時代劇の中でよく聞きますね。
  • 身共(みども):自分を低めて表現する言葉。

他にも「吾人(ごじん)」「迂生(うせい)」「愚生(ぐせい)」「非才(ひさい)」「不才(ふさい)」「不佞(ふねい)」といった言葉があります。

「私/自分」の昔の言い方(女性編)

女性が使う「私」の言い方も、いくつかあります。

  • あちき:遊郭で使われた言葉。様々な地方から集められた遊女たちが、お国訛りを隠すために使用した「廓言葉」の一つ。
  • わっち:「あちき」も同じように廓言葉として使われた。遊女たちの独特な言葉遣いの一つです。
  • 妾(わらわ):特に武家の女性が用いた言葉。謙遜の意味を込めて使われました。
  • 私め(わたしめ)・わたくしめ:自分を低めて表現する言葉。「め」をつけることで、より謙虚な印象を与えます。

男性と比べると少ないですが、今とは違う言い方がありました。

「私/自分」の昔の言い方(男女共通編)

男女共に使える「私」の言い方もありました。

  • 麿・麻呂(まろ):古代の貴族が使った言葉。男女問わず使われました。
  • 我・吾(われ・わ・わが):最も基本的な一人称代名詞の一つ。古くから使われてきました。
  • 余・予(よ):男女共に使われた言葉です。どちらかというと男性的な印象がありますが、女性も使用しました。
  • あっし:男女を問わず庶民に多く使用された言葉。親しみやすい印象を与えます。
  • 僕(やつがれ):上代・中古では男女共に使用されていました。近代では主に男性が改まった場で使うようになりました。

「私/自分」の今の言い方の種類は?

現代では、「私」の言い方は昔に比べるとシンプルになりました。でも、まだまだ種類は豊富です。

  • 私(わたし):最も一般的な言い方ですね。
  • 自分(じぶん):主に男性が使います。
  • 僕(ぼく):男性や子どもがよく使います。
  • 俺(おれ):男性が使う casual な言い方。
  • 俺様(おれさま):自分を高めた言い方。主に漫画やアニメのキャラクターが使います。
  • 儂、私(わし):年配の男性がよく使います。
  • あたし:女性が使う casual な言い方。
  • あたくし:「わたくし」をより casual にした言い方。
  • わい:関西弁で使われる言い方。
  • うち:主に関西の女性が使います。
  • 俺等(おいら):主に男性が使う casual な言い方。
  • おら:田舎の方言として使われることが多いです。
  • おいどん:鹿児島弁で使われる言い方。

これらの言葉は、場面や相手によって使い分けられています。

TPOをわきまえて使うことが大切ですね。

「私/自分」の昔の言い方がたくさんあるのはなぜ?

なぜ昔はこんなにたくさんの「私」の言い方があったのでしょうか?

その理由を探ってみましょう。

昔は他者との関係性によって「自分」が決まっていた

昔の日本では、「私」という概念が今とは大きく異なっていました。

文明開化以前の日本では、「家」「村」「藩」といった共同体の中で、周囲の人との関わりによって一人称を変える性質がありました。

つまり、誰と話すかによって「私」の言い方が変わっていたのです。

目上の人に対しては謙遜した言い方を、同輩には親しみやすい言い方を、目下の人には威厳のある言い方を使うというように。

しかし、文明開化で西洋の文化が入ってきて、初めて「個人(他者の影響を受けない独立した存在)」という概念が日本に浸透しました。

これにより、日本人の自己認識に大きな変化が起こったのです。

次第に、周囲の人との関わりに関係なく、「誰と接していても自分は自分なんだ」というアイデンティティが浸透していきました。

その結果、昔使われていた一人称の数が減っていったんですね。

男性のほうが「一人称」の言い方が多い理由

男性のほうが「私」の言い方が多い理由は、主に社会的な役割の違いにあります。

昔の日本社会では、男性が公の場に出る機会が多く、様々な立場や役割を担っていました。

武士、商人、学者、僧侶など、それぞれの立場に応じた言葉遣いが求められたんです。

一方、女性は主に家庭内や限られた社会的場面での活動が中心でした。

そのため、使用する一人称の種類も比較的少なくて済んだんですね。

また、男性は社会的地位や年齢によっても一人称を使い分ける傾向がありました。

若い頃は「僕」を使い、年を重ねると「私」や「わし」に変えるといった具合です。

これらの社会的背景が、男性の一人称の多様性につながったと考えられています。

「私/自分」の昔の言い方(わがはい・妾など)は死語なの?

「わし」や「拙者」といった昔の言い方、今でも使われているのでしょうか?実際にX(旧Twitter)で調べてみました。

一人称使用頻度使用シーン
わがはいほぼ使用されていないタイトル・固有名詞・作品名など
某(それがし)ほぼ使用されていない「某◯◯(隠す言い方)」で使われることが多い
朕(ちん)ほぼ使用されていない中国語のポストがヒットする
小生使用されている中高年男性が多そう?主に文章で使われている
拙者使用されているネット民、時代劇好きな人による使用
麻呂ほぼ使用されていないどちらかというと、アカウント名に使用されている
ほぼ使用されていないごくまれに使用している人がいる
あっし使用されている主に女性アカウントが使用している
あちき使用されている主に女性アカウント。文学部の人も。
ほぼ使用されていない一人称ではなく、朝ドラ(虎に翼)の妾が検索ヒットする

このように、一部の言葉は形を変えて生き残っていますが、多くは日常的には使われなくなっているようです。

まとめ:「私/自分」の昔の言い方はたくさんあった!今でも使われているものもある

「私/自分」の昔の言い方について解説しました。

  • 「私/自分」の昔の言い方(男性)
    →「わがはい」「某(それがし)」「朕(ちん)」「吾(あ)」「小生(しょうせい)」「拙者(せっしゃ)」「身共(みども)」など
  • 「私/自分」の昔の言い方(女性)
    →「あちき」「わっち」「妾(わらわ)」など
  • 「私/自分」の昔の言い方(男女共通)
    →「麿・麻呂(まろ)」「余・予(よ)」「あっし」など
  • 昔は他者との関係性によって「自分」が決まっていた(特に男性)
  • 今でも小生・拙者・あっし・あちきなどは、SNSで使用が見つけられる

「自分/私」の昔の言い方は、実に多様でした。

中には、現在でも使われているものがあることもわかりましたね。

当ブログでは、いろいろな「昔の言い方」を紹介・解説しています。

その他の昔の言葉を知りたい方は、

こちらの昔の言い方一覧をご覧ください↓

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