「かっこいい」の昔の言い方を知っていますか?
実は「かっこいい」は昔、別の言い方で呼ばれていたのです。
この記事では、「かっこいい」の昔の言い方・古風な呼び方について紹介します。
- かっこいいの昔の代表的な言い方(「二枚目」「伊達男」ほか)
- 「かっこいい」の言葉の語源
- その他「かっこいい」の言い方(美丈夫・ますらお・しびれる、ほか)
記事を読むことで、「かっこいい」の昔の言い方・由来がわかりますよ。
かっこいいの昔の言い方は「二枚目」「伊達男」
「かっこいい」の昔の言い方には「二枚目」と「伊達男」などがあります。
これらは主に男性を指す言葉として使われてきました。
では、なぜこれらの言葉が「かっこいい」を表すようになったのか、詳しく見ていきましょう。
(単に「かっこいい」を指す昔の言い方はのちほど紹介してます)
なぜかっこいいことを「二枚目」と言ったのか?
「二枚目」という言葉の起源は、江戸時代の歌舞伎の世界にあります。
歌舞伎の看板は通常8枚から成っており、その二枚目には若い色男の役者が描かれていたのです。
歌舞伎の看板の構成は以下のようになっていました:
- 一枚目:主役、物語の主人公
- 二枚目:色事を担当する役、色男
- 三枚目:滑稽な役、お調子者で物語を盛り上げる
- 四枚目:物語の中軸を担当する、まとめ役
- 五枚目:敵役、主人公のライバル
- 六枚目:敵役だが、憎めない善良な役
- 七枚目:物語の大敵、いわゆるラスボス
- 八枚目:元締め、座長
このように、二枚目の役者は若くて美しい男性を演じる役割を担っていました。
そのため、「二枚目」という言葉が、一般的に容姿端麗でかっこいい男性を指す言葉として使われるようになったのです。
なぜ「伊達男」と言われたのか?
「伊達男」という言葉は、江戸時代以降の文献に現れるようになりました。
この言葉は、「派手な振る舞いをする男」「派手ないでたちの男」「粋な男」といった意味で用いられてきました。
「伊達男」の「伊達」は、「男立て」のように「男を立てる」こと、つまり意気を示して男らしく見せようとすることを意味する「だてをす(る)」という言葉に由来しています。
派手で格好良い男性を指す言葉として定着していったのです。
例えば、江戸時代後期の戯作者、式亭三馬の『浮世風呂』(1809年)には、次のような用例があります:
「あの伊達男がぬしの旦那さまかへ」
この一文からも、「伊達男」が当時から魅力的な男性を指す言葉として使われていたことがわかります。
「かっこいい」の言い方の語源は?
「かっこいい」という言葉自体の語源については、主に2つの説があります。
1つ目の説は、「賢い」という言葉が変化して「カッコイ」となり、そこから「かっこいい」になったというものです。
この説によれば、もともと頭の良さを表す言葉が、外見の良さを表す言葉に変化していったということになります。
2つ目の説は、「格好がいい」という言葉が縮まって「かっこいい」になったというものです。
この説の方が直感的にわかりやすく、多くの人に支持されています。
どちらの説が正しいかは断定できませんが、「かっこいい」という言葉が比較的新しい表現であることは間違いありません。
1950年代ごろから使われ始め、1970年代ごろには一般的に使われるようになったと考えられています。
その他の「かっこいい」昔の言い方・今の言い方
「二枚目」「伊達男」以外にも、「かっこいい」を表す言い方はたくさんあります。
昔の言い方から今の言い方まで、意味とともに紹介しましょう。
- 美丈夫(びじょうふ):容姿が整っていて立派な男性を指します。古くは平安時代から使われていた言葉です。
- 男前(おとこまえ):容姿が良く、魅力的な男性を表します。江戸時代から使われ始め、現代でも頻繁に使用されています。
- 美少年(びしょうねん):若くて美しい男性を指します。主に10代後半から20代前半の男性に対して使われます。
- ますらお(益荒男):勇敢で立派な男性を意味する古語です。現代では、力強く男らしい人を褒める際に使われることがあります。
- 美男子(びなんし):顔立ちの整った、美しい男性を指します。「美男」とも言います。
- ハンサム:英語の「handsome」から来た外来語で、容姿の整った男性を指します。1870年代ごろから使われ始めました。
- イケメン:1990年代後半から2000年代に流行した言葉で、容姿が良く魅力的な男性を指します。「イケてる(格好いい)男」の略です。
- イカす:1960年代ごろから使われ始めた若者言葉で、「かっこいい」「素晴らしい」という意味です。
- しびれる:1970年代ごろから使われ始めた言葉で、感動や感激を表します。「かっこいい」の意味でも使われます。
これらの言葉は、時代とともに変化しながらも、「かっこいい」という概念を表現し続けてきました。
かっこいいの昔の言い方「二枚目」「伊達男」は死語なのか?
「二枚目」や「伊達男」といった言葉は、現代ではあまり日常会話で使われなくなってきています。
特に若い世代では、これらの言葉を使う機会は少なくなっているでしょう。
しかし、完全に死語になったわけではありません。
文学作品や歴史的な文脈、あるいは特定の場面では今でも使われることがあります。例えば、歌舞伎や映画の分野では「二枚目俳優」という言葉が今でも使われています。
また、X(旧Twitter)で検索をかけてみたところ、「二枚目」も「伊達男」も検索結果に出てきました。
(二枚目は、別の意味の二枚目が多くヒットするので、「伊達男」のほうがよく使われている印象を受けました)
さらに、レトロな雰囲気を出したい時や、ちょっとした洒落た表現をしたい時に、あえて使われることもあります。
これからも「レトロな表現」として使われていくことでしょう。
まとめ:かっこいいの昔の言い方は「二枚目」「伊達男」他
「かっこいい」の昔の言い方について解説しました。
- 「かっこいい」の昔の言い方は「二枚目」「伊達男」他
- 「かっこいい」の語源は「賢い」「格好がいい」
- 「二枚目」や「伊達男」という言い方は、今でも使われている
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