「自転車」の昔の言い方を知っていますか?
実は「自転車」は昔、別の言い方で呼ばれていたのです。
この記事では、「自転車」の昔の言い方・古風な呼び方について紹介します。
- 自転車の昔の言い方(一人車・自走車・西洋車・ケッタバイク・チャリンコ)
- 「ケッタバイク」「チャリンコ」の由来
- 「一人車・自走者・西洋者・ケッタバイク」は死語なのか?
記事を読むことで、自転車の昔の言い方・歴史がわかりますよ。
自転車の昔の言い方は「一人車」「自走者」「西洋車」
自転車の昔の言い方には「一人車」「自走者」「西洋車」などがあります。
それぞれの言い方について詳しく見ていきましょう。
日本に自転車が入ってきたのは江戸時代
自転車が日本に初めて入ってきたのは、江戸時代の終わり頃といわれています。(諸説あります)
幕末期・慶応年間(1865年~1868年)のことで、当時入ってきたのはミショー型(ベロシペード)と呼ばれる自転車だったと推定されています。
Yesterdays Antique Motorcycles en Classic Motorcycle Archive, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
ミショー型自転車は、ペダルが前輪に直接取り付けられた原始的な自転車です。
今の自転車とは随分違う形をしていますね。
この乗り物を、当時は「一人車」「自走者」「西洋車」などと呼んでいたそうです。
「一人車」は文字通り、一人で乗る車という意味。
「自走者」は自分で走る者、
「西洋車」は西洋からきた車という意味ですね。
1872年から「自転車」の言い方が広まった
「自転車」という言葉が初めて使われたのは、1872(明治5)年のことです。
竹内寅次郎という人物が東京府(現・東京都)に提出した自転車製造・販売の許可願書に使われたのが最初だと言われています。
翌1873(明治6)年発行の錦絵(浮世絵)には早くも「自転車」の名称が見られており、自転車の名称がすぐに広まったことがわかります。
これ以後、「自転車」という呼び方が一般的になりました。
自転車の昔の言い方には「ケッタマシン」「チャリンコ」もある
「自転車」という呼び方が一般的になった後も、地域や時代によって様々な呼び方が生まれました。
その中でも特に有名なのが「ケッタマシン」と「チャリンコ」です。
名古屋を中心に「ケッタマシン」
「ケッタマシン」という呼び方は、主に名古屋を中心とした地域で使われていました。
「ケッタ」は「蹴った」という意味で、ペダルを蹴って進む機械という意味合いがあります。
(自転車を進めるとき、最初に地面を蹴りますよね)
その「蹴った」という言葉に、「マシーン(機械)」をくっつけて、ケッタマシン・ケッタマシーンと呼ばれるようになったのだとか。
1960年代ごろから「チャリンコ」
今でもよく使う「チャリンコ」という呼び方は、1960年代ごろから使われ始めたと言われています。
この言葉の由来については、いくつかの説があります。
1つ目は、自転車のベルの音からきているという説です。
「チャリン」というベルの音が、そのまま呼び方になったというわけですね。
2つ目は、韓国語の「チャジェンゴ(자전거)」が語源だという説です。
「チャジェンゴ」は韓国語で自転車のことを指します。
3つ目は、「子どものスリ(ジャリンコ)」が転じて「チャリンコ」になったという説です。
この説によると、最初は泥棒を指す言葉(ジャリンコ)だったのが、いつの間にか自転車を指すようになったそうです。
どの説が正しいのかは分かっていません(個人的には1だと思っています)が、「チャリンコ」という言葉には庶民的で親しみやすいイメージがありますね。
自転車の昔の言い方「一人車」「自走者」「ケッタマシン」は死語?
さて、ここまで見てきた自転車の昔の呼び方。これらは現代でも使われているのでしょうか?
それとも、すでに死語になってしまったのでしょうか?
「一人車」「自走者」「西洋車」といった最初期の呼び方は、完全に死語と言えるでしょう。
日常会話はもちろん、文献などでも見かけることはほとんどありません。
X(旧Twitter)でも検索をかけてみましたが、自転車の意味で使われているポストは見つかりませんでした。
「ケッタマシン」は、名古屋を中心とした地域では今でも使われることがあります。
ただし、若い世代では使用頻度が低くなっているようです。
X(旧Twitter)で検索をかけたところ、ケッタマシンは多くのポストが見つかりました。
今でも使っている人がいる証拠ですね。
「チャリンコ」は、現代でもかなり広く使われています。
特に若者の間では、「チャリ」と略して使われることも多いですね。
まとめ:自転車の昔の言い方は「一人車」「自走車」「西洋車」「ケッタマシン」「チャリンコ」
自転車の昔の言い方について解説しました。
- 自転車の昔の言い方は「一人車」「自走車」「西洋車」「ケッタマシン」「チャリンコ」
- ケッタマシンは「蹴った」が語源
- チャリンコの由来には、「①ベルの音」「②韓国語由来」「③スリ」の3つの説がある
- 「ケッタマシン」「チャリンコ」は、今でも使われている言葉なので死語ではない
自転車の昔の言い方は、「「一人車」「自走車」「西洋車」「ケッタマシン」「チャリンコ」でした。
これから自転車という言葉がどのように変化していくのか、気になるところですね。
当ブログでは、いろいろな「昔の言い方」を紹介・解説しています。
その他の昔の言葉を知りたい方は、
こちらの昔の言い方一覧をご覧ください↓