「ベッド」の昔の言い方を知っていますか?
「日本は昔、畳に布団をひいて寝てたから、ベッドのような言葉はないでしょ?」
と思っている人も多いのではないでしょうか。
…実は、「ベッド」と似た道具は、奈良時代から存在し、使われていたのです。
この記事では、「ベッド」の昔の言い方について、次のことを紹介します。
- ベッドの昔の言い方(寝台)
- ベッドに言い方が変わったのはいつ?
- 「寝台」は死語なのか?
記事を読むことで、ベッドの言い方の語源・由来がわかりますよ。
ベッドの昔の言い方は「寝台」
「ベッド」の昔の言い方は「寝台(しんだい)」と言います。
寝台とは、睡眠を取るために使われる家具や設備全般を指し、特に高床式の構造物を意味していました。
(直接地面に布団を敷くのではなく、足を持った台の上に敷布団やマットレスを置いて使用するスタイルを意味します。)
日本最古の寝台として、奈良時代の聖武天皇が使用していたと言われている寝台が、正倉院に保管されています。
聖武天皇が使用していた寝台は、檜(ひのき)の木でできています。
長さは237.5センチ、幅は118.5センチ、高さは38.5センチのシンプルな見た目。
外枠の中にはスノコみたいに8本の棒を組み合わせて作られていて、とてもしっかりしています。
おそらく、上に畳やほかの敷物を敷いて使われていたんじゃないかと考えられています。
昔の言い方から「ベッド」に変わったのはいつ?
「ベッド」という言葉が日本で一般的に使われるようになったのは、いつからでしょうか。
明治〜大正ごろに、一部の富裕層にベッドが普及したため、その時期から「ベッド」という言葉が広まったと言われています。
一般的にベッドが普及したのは、戦後の昭和30年(1955年)ごろ。
TVの宣伝の効果もあり、次第に庶民にもベッドが普及していきました。
特に、都市部を中心に住宅事情が変化し、省スペースで衛生的なベッドが好まれるようになりました。
昔の「寝台」という言い方は死語なのか?
今では、「寝台」という言葉のみで使用されることはほぼなくなり、死語となりつつあります。
…が、完全に死語というわけではなく、「寝台列車」のように特定の文脈で生き続けています。
(逆に言うと、寝台列車以外の文脈ではほぼ使われることがありません)
X(旧Twitter)などで検索をかけてみても、寝台列車以外の文脈で「寝台」を使っているつぶやきは見られませんでした。
まとめ:「ベッド」の昔の言い方は「寝台(しんだい)」
ベッドの昔の言い方について解説しました。
- ベッドの昔の言い方は「寝台(しんだい)」
- 日本最古の寝台は、奈良時代の聖武天皇が使用していたとされている(正倉院保管)
- ベッドという言い方が広まったのは、明治〜大正以降。特に庶民の中で広まったのは、戦後の昭和30年以降。
- 「寝台」という言葉は、寝台列車以外の文脈で使われることがほぼないため、死語と化している。
「寝台」という言葉は、奈良時代〜昭和ごろまで使われていた歴史の長い言葉であることがわかりました。
今後、どのように言葉が変わっていくのか気になるところですね。
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