「お風呂」の昔の言い方を知っていますか?
まず結論をお伝えしておくと、
お風呂(室内の浴室部屋)は昔、「湯殿(ゆどの)」と呼ばれていました。
この記事では、「お風呂」の昔の言い方・言葉について、次のことを紹介します。
- お風呂の昔の言い方・言葉
- 湯殿からお風呂に言い方が変わったのはいつ?
- 「湯殿」は死語なのか?
記事を読むことで、お風呂の昔の言い方の語源・由来がわかりますよ。
お風呂の昔の言い方・古風な言葉は「湯殿(ゆどの)」
お風呂の昔の言い方は「湯殿(ゆどの)」です。
主に上流階級(お殿様など)が使っていた言葉※だったとされています。
「湯殿」が使われていたのは、1700年代後半から明治時代にかけてだとされています。
「湯殿」が使われていた時代は、まだお風呂は一般家庭に普及していない時代でした。
(江戸時代は、火災の元になるため、一般家庭への風呂の設置は禁止されていた)
お湯を沸かして入浴すること自体がぜいたくなことだったため、お風呂に対する言葉(湯殿の”殿”の字)に格調高さが出たのかもしれませんね。
※お殿様のお風呂事情についての文献は数少ないのですが、城びとのサイトでいくつか確認することができます。
お風呂の昔の言い方は、いつから変わった?
お風呂の言い方が「湯殿」から「お風呂」に変わったのは、明治時代以降だと考えられます。
この時期に洋風生活が取り入れられ、お風呂が庶民の家にも徐々に普及していったことが関係しているとみられます。
江戸時代から庶民の公衆浴場として使われていた「風呂屋」という言い方が、そのまま使われたと考えられています。
「風呂」は「室(むろ)」や「風呂(ふろ)」、「湯室(ゆむろ)」といった言葉が元となっていると考えられています。
これらの言葉が徐々に変化し、次第に「お風呂」という言葉が定着していきました。
お風呂の古風な昔の言い方「湯殿」は死語なのか?
では、「湯殿」という言い方は死語なのでしょうか。
現在、湯殿という言葉はほとんど使われていいないため、死語同然と言ってよいでしょう。
ただし、温泉施設や歴史的な文脈、古風な小説・アニメなどでは「湯殿」という言い方が使われているので、完全になくなった言葉ではありません。
X(旧Twitter)で「湯殿」と検索をかけると、今でも湯殿という言い方を使っているポストを確認できますよ。
個人的には、こういった昔の言い方を大切にしていきたいなと思っています。
「お風呂」の古風な昔の言い方に、よくある質問
- 江戸時代の「風呂屋」と「湯屋」って何が違うの?
-
江戸時代には、公衆銭湯の文化が栄え、「風呂屋」や「湯屋」が多くあったと言われています。
(火災防止のため、一般民家での風呂は禁止されていたとのこと)江戸時代の「風呂屋」と「湯屋」は、
- 「風呂屋」は、蒸気式(蒸気風呂・蒸気浴)の施設
- 「湯屋」は、今一般的になっているお湯に浸かるタイプの施設
という違いがありました。
- お風呂はもともと、蒸気を浴びる「蒸し風呂」が主流だったって本当?
-
本当です。
もともと中央アジアで生まれた蒸気風呂が、仏教とともに日本にやってきたと言われています。
日本では、蒸気式の蒸気風呂から、次第にお湯に浸かるタイプの湯浴(ゆあ)が一般的に使われるように変化していきました。
まとめ:お風呂の昔の言い方・古風な言葉「湯殿」は明治頃まで使われていた
お風呂の昔の言い方・言葉についてまとめました。
記事の内容をまとめると
- お風呂は昔「湯殿(ゆどの)」という言葉が使われていた
- 江戸〜明治ごろに頻繁に使われていた言葉と考えられている
- 庶民の家に普及したぐらいで「湯殿→風呂」へと変わっていった
- 現在、湯殿という言葉はほぼ使われていないが、一部の施設等で使われることがある
お風呂という言葉が、今後どのように変わっていくのか、気になりますね。
その他の「今は使わなくなった昔の言葉」を知りたい方は、
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